薄膜形成のメカニズムを掘り下げて解説し、プラスチックの表面機能化における最新の応用事例を紹介します。薄膜の技術応用への足がかりとしてください。
コンバーティングテクノロジーセミナー2018
薄膜形成のメカニズムとプラスチック表面機能化の最新状況
主催:加工技術研究会
日時:2018年12月7日(金) 10:00~16:30
会場:大阪科学技術センター会議室 【大阪】
受講料:「コンバーテック」定期購読者/関西コンバーティングものづくり研究会会員/ウェブハンドリング技術研究会会員:1名様 30,000円(税別)、一般 1名様 35,000円(税別)
薄膜技術は、半導体や電子部品の機能要素として、また金属やガラス、プラスチック・フィルム等の表面への機能付与の手段として、幅広い産業分野で用いられています。装置や材料の進歩によって、薄膜の機能や生産性は高まっていますが、一方で技術的にはブラックボックス化が進む方向性であるため、プロセスを扱う技術者自身には薄膜技術のより深い理解が望まれます。
本講座では前半で薄膜形成のメカニズムを掘り下げて解説します。真空蒸着、スパッタリング、CVD、めっき、塗布法、前後処理について一つ一つ理解を深めていきます。後半ではプラスチックの表面機能化における最新の応用事例を紹介します。軽量で安価・均質であるなどの多くの利点を有するプラスチック材料の活用において、薄膜はその表面に機能を付与する重要な役割を果たします。ぜひ本講座を新しい薄膜の技術応用への足がかりとしてください。
プログラム
Ⅰ.薄膜形成のメカニズム
1.薄膜とは何か?~定義、性質、機能~
2.薄膜の成長過程
2-1 吸着、蒸発、拡散、核成長
2-2 薄膜形成の駆動力としての粒子と基板のエネルギー
2-3 薄膜の成長モードと、エピタキシー、積層効果
3.薄膜プロセスの物理化学的現象
3-1 薄膜材料の分解、輸送、成膜、安定化
3-2 プロセスに関与する気体運動、吸着・脱離、反応
Ⅱ.薄膜形成技術
1.真空蒸着法の原理
1-1 真空蒸着法(抵抗加熱、電子ビーム、PLD、AIP、MBE)
1-2 真空蒸着の機構と膜厚制御
2.スパッタリング法の原理
2-1 グロー放電プラズマの基礎
2-2 スパッタリング法(DC、マグネトロン、反応性、パルス)
2-3 スパッタリング膜の機構と膜厚制御
3.化学的気相成長(CVD)法の原理
3-1 CVD法(熱、プラズマ、光)
・原子層堆積(ALD)
3-2 CVDの反応と成長速度
4.液相プロセスの原理
4-1 めっき法(電解めっき、無電解めっき)
4-2 電気めっきの膜厚・外観制御
4-3 塗布法(印刷、スピンコート、ゾルゲル、液相エピタキシー)
5.薄膜の関連技術
5-1 前処理技術(洗浄、研磨、プラズマ、イオン)
5-2 後処理技術(アニール、レーザー、リソグラフィ)
6.薄膜形成技術の比較
6-1 膜構造・膜厚分布の違い
6-2 密着性・特性発現の違い
6-3 コスト・生産性の違い
Ⅲ.プラスチックへの薄膜形成
1.プラスチック上薄膜の設計
1-1 薄膜の設計フロー
1-2 薄膜の試作・評価
1-3 薄膜の解析
2.プラスチック上薄膜形成の課題
3.薄膜プロセスのモニタリング
Ⅳ.プラスチック表面機能化の最新状況
1.加飾・装飾
・加飾技術としての薄膜
・金属薄膜による加飾フィルム
・薄膜による光学干渉、カラーリング技術
・ナノ構造による機能加飾フィルム
2.機械的機能
・薄膜による機械的物性と評価
・薄膜によるプラスチック耐摩耗性・潤滑性付与
・バイオミメティック薄膜による超撥水・超親水
3.電磁波制御機能
・薄膜の光学的性質と光学測定
・反射防止フィルムから無反射フィルムへ
・赤外線、熱制御フィルム
・反射膜・光吸収膜、エレクトロクロミック薄膜
・フィルムによる電磁波シールド
4.エレクトロニクス要素技術
・導電性、誘電率、分極のメカニズムと測定
・誘電体、強誘電体の薄膜応用
・次世代表示デバイスの透明導電膜と有機薄膜
・フィルム型薄膜太陽電池
・プリンテッドエレクトロニクスにおける薄膜
5.ガスバリア機能
・ガスバリアのメカニズムとバリア測定
・超ハイバリアフィルムのデバイス応用
・ガラス代替樹脂を実現する保護薄膜
Ⅴ.薄膜による将来技術の可能性
1.IoTにおける薄膜の活用
2.航空機・次世代自動車における薄膜の活用
3.新しい発想の薄膜デバイス
4.その他
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