真空成膜装置の改善は、違う技術分野の装置仕様がヒントになります

スパッタ装置などの真空成膜装置は、年々高性能化しています。用いられる産業分野によって、装置の技術的発展が方向付けされています。液晶デバイス分野では、大型化、高速化、メンテナンス性の改善が優先的に進んでいます。これは液晶業界の、大面積化や、大量生産への対応と、価格競争が影響しているためです。半導体分野では、精密化、無欠陥化が優先的に進んでいます。これは半導体の集積密度向上のために重要なポイントであるためです。

共通するのは、成膜領域における膜厚や膜質の均一化、操作性の向上などがあります。

真空成膜装置は、真空を扱うために、設計上の制約が多いです。何から何まで盛り込むことは難しく、また機能の後付けも困難です。とはいえ、優先とされていない部分は、まだ発展の余地があるといえます。違う分野で用いられる装置の仕様に目を向けると、ヒントが見つかるかもしれません。

ユーザーのこだわりは、装置メーカーの技術力向上の引き金になります。性能への限りない要求が、装置開発を促進し、産業の発展に寄与しています。